JOURNAL

MELジャーナル

メディカルロジスティクス

医薬品GDP ラストワンマイルの落とし穴

こんにちは。

今回は医薬品サプライチェーンにおいて最も温度管理が難しく、かつ監査でも指摘を受けやすい「ラストワンマイル」の実態と対策について

ラストワンマイルが「最大の難所」である理由

医薬品物流におけるラストワンマイルとは、医薬品卸売業者の物流センターから、病院、クリニック、調剤薬局などの最終拠点へと至る「最後の配送区間」を指します。

大型の保冷トラックや航空機を使って拠点間を一直線に結ぶ大量輸送に比べ、このラストワンマイルには特有の過酷な環境が待ち受けています。

  1. 頻繁な扉の開閉による温度上昇 1台の配送車両が1日に数十件の医療機関を回るため、荷台の扉を開け閉めする回数が非常に多くなります。真夏や真冬の場合、開閉のたびに外気が流入し、車両の冷蔵設備だけでは指定温度(2〜8℃など)を維持しきれなくなるリスクがあります。
  2. アイドリングストップのジレンマ 環境配慮や自治体の条例により、納品先の駐車場ではエンジンを停止(アイドリングストップ)することが求められます。しかし、エンジンを切れば荷台の冷蔵コンプレッサーも停止してしまいます。炎天下では、わずか数分のエンジン停止で庫内温度が急上昇してしまいます。
  3. 納品先の受け入れ環境 納品先のクリニックが昼休みでドアが閉まっていたり、担当者が不在だったりするケースです。過去のトラブル事例では、「直射日光の当たる勝手口に段ボールが放置されていた」「エアコンの効いていない常温の受付に数時間置かれた」といった事象が報告されています。

実践的な解決策:パッシブ管理へのシフト

こうしたラストワンマイル特有のリスクに対し、GDPに準拠した最新の物流現場では、車両の空調(アクティブ)に依存する管理から、「高機能保冷容器(パッシブ)」を用いた管理へのシフトが進んでいます。

  • PCM(潜熱蓄冷材)の活用: 一般的な保冷剤(0℃で凍るもの)ではなく、指定された温度(例:5℃や20℃)で固体から液体に変化し、長時間その温度を維持し続ける特殊な蓄冷剤(PCM)を使用します。
  • 真空断熱ボックスの導入: PCMと高性能な真空断熱材(VIP)を組み合わせた専用ボックスに医薬品を入れて配送します。これにより、エンジンを切って炎天下に駐車しても、あるいは納品先の常温エリアに一時的に置かれても、ボックス内は数十時間にわたって指定温度を物理的に守り抜くことができます。

「人」の行動をコントロールする

ハード面の対策に加え、ソフト面(ルールと教育)の徹底も不可欠です。

配送ドライバーのSOP(標準作業手順書)には、「納品時は必ず医療従事者に直接手渡し、受領印をもらうこと」「『要冷蔵品ですので直ちに冷蔵庫へお入れください』と声掛けをすること」といった具体的な行動基準が組み込まれ、定期的なトレーニングが行われています。

ラストワンマイルは、高性能な設備だけでなく、現場で働く「人」の行動一つひとつが医薬品の品質を左右する重要な関門です。

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:

  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
  • リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
  • BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)

医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。

医薬品物流の見直し、ぜひ丸総にご相談ください

薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
丸総が医薬品物流のパートナーとしてお力になります。

▶︎ [お問い合わせはこちら]

メディカル担当

電話:0548-32-0770

e-mail:sales@marusoh-el.co.jp

CONTACT

お問い合わせ

物流に関することや資料請求はお気軽にお問い合わせください